受賞のことば

高村 有

 映画の裏方仕事を紹介する本や造形(フィギュア)のハウツー本制作に携わっていたことがあります。
 私自身がそのジャンルに精通しているというわけではないのですが、その業界に関わる人々について、ほんのちょっとだけ知っています。特殊メイクや特殊造形、背景美術をしている人、ホラー映画の監督……。そういう人たちに話を聞くと、彼/彼女たちは子どもの頃から「とにかく人を驚かせたい!」と思っていたり、「いじめられていた自分を守ってくれたのはホラー映画」だったりしたそうで、なかなか面白く、こういう人たちの子ども時代を掘り下げたいな……と妄想していました。
 そんなところから思いついたのが、本作品です。原型となったのは、2018年に在籍していた、日本児童文学者協会の創作教室への提出作品。二度ほど改稿したのち、2019年の季節風大会物語分科会でみなさんに読んでいただきました。ありがたいことにたくさんの改善点やアドバイス、突っ込み等々をいただき、さらにさらにありがたいことに推薦作にしていただけることに!
 季節風掲載時から加筆修正したものを、「特殊メイク」を面白がってくれそうな公募先なのではないかと思い、ポプラズッコケ文学新人賞に応募しました。大変光栄なことに、編集部賞を受賞することができ、とてもうれしいです。この受賞は、季節風大会がなければ生まれなかったものだと痛感しております。お世話になった皆さま、本当にありがとうございました!
 この作品も「山場・盛り上がりが足りない」(私の課題の一つです)ので、まだまだ改稿&改題をしなければ、という状況です。
 季節風の先輩方・仲間たちのご恩にむくいることができるよう、なんとか出版につなげたいと考えています。

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