「福井市こどもの本大賞」は、毎月司書さんによって選ばれる候補本の中から、年度末に「こども司書くらぶ」の子どもたちが投票で選ぶそうです。
子どもたちが選んでくれる賞というのはなかなかないので、担当さんから連絡をいただいたときはとてもうれしかったです。
『金色の羽でとべ』は佐渡という離島のハンデがある中、全国大会を夢見て奮闘する小学生バレーボールチームの少年たちの物語です。
執筆中はコロナ禍で、子どもたちが思うように練習ができない現実を目の当たりにして、物語とのギャップを感じ、筆が進まなくなることもありました。
取材をしたくても「今、佐渡に帰ってきちゃダメ」といわれて一年以上チャンスをうかがったり、ようやく許可が下りて母校に向かうため佐渡に帰省……という日に、「コロナで活動が中止になるかも!?」と連絡が入ったりと、悪戦苦闘しながらなんとか書き上げることができました。
でも「チームみんなでがんばるのが良かった」とか「主人公の空良がチームをひっぱっていったのがかっこいい」など、司書くらぶの子どもたちからいただいた感想を読むと、あきらめずに書いてよかったなーと、報われる思いがしました。
「こども司書くらぶ」のような活動を継続するのは大変だと思いますが、今回で第五回目ということで、尽力してくださっている関係者のみなさんに感謝の気もちでいっぱいです。
この賞はノンフィクション部門もあり、同じ季節風の会員である別司芳子さんの作品が大賞をご受賞され、ご一緒できてとても光栄でした。
季節風で学んだことを忘れず、これからも子どもたちが楽しめる物語を書き続けたいと思います。