受賞のことば

杉本 深由起

 この『ひかりあつめて』は、いじめを受けているクラスメートを助けたばっかりに、今度は自分がいじめられることになった少女――ユキの、ひとりぼっちの戦いと心の成長をまとめたものです。
 その物語を、一篇一篇は独立した詩でありながら、全体としてひとつのストーリーになることを目指して構成しました。
 フイクションの物語を、心の真実であるノンフイクションの詩で紡ごうと思ったのです。その意味で、このたびの詩集も、前回出版した『漢字のかんじ』に続き、少年詩の世界においての冒険的な試みであり、私が自分に課した挑戦でした。
 詩を作るだけでなく、構成もこちらでやりましたが、そういうことができたのは、詩とは別に、「季節風」で物語の創作について学び、鍛えられてきたおかげだと思っています。
 出版に到るまでの途上で何度も暗礁に乗り上げましたが、あきらめず、くじけずに進めたのも、「季節風」が届くたび、そこに流れる会員の熱い風を感じることができ、大きなエネルギーをもらっていたからだと……。
 私を「季節風」に誘ってくださった後藤竜二さんに感謝の気持ちでいっぱいです。『漢字のかんじ』で三越左千夫賞をいただいたときは、「受賞の言葉を書いてよ」とお祝いメールをくださった後藤さんに、ご報告できないのが残念です。
 これからも、詩とともに、物語の創作にも打ち込んでいきたいと思っています。
 高橋秀雄さん、土山優さん、森川成美さんなど、「季節風」のお仲間たちに、力のこもった素晴らしい書評を書いていただいたことも、大変有り難く励まされたことでした。
 心から感謝いたします

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