絵本テキスト大賞は大賞の場合、受賞者には十月中に連絡があることになっています。十月になって、連絡が来ないかそわそわしているうちに、とうとうハロウィーンを迎え、あーあ、だめだったかと思った私は、もうすっかり絵本テキスト大賞のことを忘れていました。
しばらく多忙で、テーブルに置きっぱなしにしていた日本児童文学の11・12月号。ようやく時間を取って表紙を開いた途端、自分の名前が目に飛び込んできました。その瞬間、スパーンと音を立てて、顔の真ん中にパンチがめり込んだような、そんな感じでした。
強烈に悔しい。包み隠さず言えば、それが最初の気持ちでした。この公募は大賞でなければ、出版確約はありませんし、連絡もありません。今回もAグレードだけでも五百近い投稿があり、Bグレードも合わせると、千もの作品のなかから、二つだけ優秀賞が出たうちの、その一つです。こんなにありがたいことはありません。しかし、絵本テキスト大賞は今回でその18回にわたる歴史を閉じるとのこと。最後には大賞を出して、華やかに締めくくりたいと、関係者の皆さんは思っていたに違いありません。それなのに自分の作品は、そこに及ばなかった。自分の不甲斐なさが悔しくてたまりませんでした。
叩かれたカタツムリのように殻にこもって、家族をはじめ誰にも受賞のことは話しませんでした。けれども最初に安田夏菜さんから、おめでとう!というメールをいただき、そのあとも色々な形で季節風の皆さまからお祝いの言葉をいただいたりするうちに、ようやく嬉しい気持ちが湧いてきました。
絵本テキスト大賞、最後の回の優秀賞に名前を刻めたことを誇りに思います。この賞に携わった皆さまに、心より御礼を申し上げます。
個人的には好きな作品なので、いろんな方に読んでいただける日がくるよう、引き続き精進して参ります。