受賞のことば

四月猫あらし

 この度は受賞のことばの執筆を仰せつかり、あの憧れの〈受賞のことば〉を書ける日が来るなんて!と一瞬有頂天になったのも束の間、時間差で届いたメールには次号季節風投稿作品の〈不掲載〉のお知らせ。なんという天国と地獄。頭の中で、例の運動会の曲が駆け巡ったのであります。
 閑話休題。
 初めて書くことに真剣に取り組もうと決意した時、まず私が必要だと思ったのは書くための仲間でした。きみはルフィなの? ええ、総ツッコミが聞こえます。でも本気で仲間が欲しかった私は「児童文学 同人」という二語をネットの検索窓に打ち込みました。今日、同じようにGoogle の検索窓に同じ二語を入れ、あの時と同じように検索結果の一番上に〈季節風〉の文字が燦然と現れるのを見た時、すっかり忘れていた当時の気持ちがふっと蘇りました。
 その頃の私は人生のちゃちなさざ波に打ちひしがれ、失意のどん底でした。でもどん底って、ある意味無敵で。やけのやん八、やさぐれ上等、盗んだバイクで走りだすのはさすがに犯罪だけど、やりたいことに挑戦しないでいられるほど人生は長くないぜ、ベイベ。まあ、意訳するとそういう気持ちでした。
 思い切って飛び込んだ季節風では誰もが真摯に書くことに向き合っていました。それは毎回届く季節風の冊子に表れていて、こちらの気持ちが弛んだ頃合いを見計らったかのように届くカラフルな冊子に幾度となく背中をどやされ、また励まされてきました。もし私が少しでもスタートラインに近づくことができたとするならば、それは季節風という場があって、そこに綺羅星のような大先輩たちの背中があり、また書く仲間がいるからこそなんだよなぁとしみじみ思わずにはいられません。
 本当に本当にありがとうございました。
 そしてこれからも、末長くどうぞよろしくお願い致します。

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