受賞のことば

澤出 真紀子

 児童文学を書き始めたのは大学生の頃でした。最初は評論ではなく、創作作品を書いていました。同人誌や読書会などに参加するなかで、しだいに関心が評論に向いていき、自分でも評論を書くようになりました。わたしがこれまで書き続けて来られたのは、いくつもの子どもの本の仲間との出会いがあったからだと思います。
 大きく分けて、一つ目は「北海道子どもの本連絡会」の仲間との出会い、二つ目は「児童文学批評・扉の会」においての活動、三つ目は「季節風」の存在です。これらのどれかひとつが欠けても、現在のわたしはありませんでした。かけがえのない仲間の存在に支えられてきたことを実感しています。
 今回、「日本児童文学」作家特集号に魚住直子論を掲載していただくことになりました。とてもうれしく思っています。魚住直子はデビュー当時から注目してきた作家のひとりでした。この原稿を書くなかで、いろいろなことを学びました。評論の書き手は少ないのが現実ですが、そうであればこそ今回の入選を励みに、この先も評論を書き続けていきたいと思います。これまで様々なかたちでわたしを支えてくれた家族と子どもの本の皆様に深く感謝いたします。本当にありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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