受賞のことば

モリ バラカ

 実は、日産童話と絵本のグランプリで、佳作をいただくのは、二回目です。はじめは、遥かなる昔。ご褒美にいただいた目覚まし時計に印字された文字を読むと、第十二回、一九九六年ですって! ひゃあ。思えば遠くへきたもんだ。
 子どもたちが独立して、さて。残りの時間で何をしたいのか。これはもう、おはなしを書くことしか、思い浮かばないのでした。書きたい。今は自分の気もちに正直でいたいと思っています。
 今回の受賞作品は『まほうの手』。私も、れいとくんと校長先生のように、まほうのように、おはなしをつむいでいきたい。
 二回目の受賞は、そりゃあ嬉しいのです。ご褒美の、二つ目の小さな置き時計を眺めながら、でも、活字にならなくちゃ、子どもたちに読んでもらえないのです。あきらめないで、これからも季節風に乗っかって、飛んでいきます。

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