後藤さんの学校を舞台にしたお話が大好きで、『私のクラスもめっちゃ面白いから、是非、取材して次のお話にしてください。』と直談判したら、『毎日、教室で宝物に囲まれているんだから、自分で書いたらいいのに。』とニカッとカッコよく笑われ、『なるほど〜』と単純にも納得してしまったのが、季節風入会のきっかけです。
この話を、季節風大会の初参加の折に披露すると、
「うわっ。ここにも後藤さんにたぶらかされた人がいる。」
と、お酒も入って盛り上がっていたその場がさらに沸いたことを覚えています。
今回、賞をいただいた作品の元は、私の周りの宝物たちが大人の勝手や様々な事情に押しつぶされそうになりながらも、逞しく前に進もうとする生命力みたいなものを描こうと思った作品です。二回目の大会参加の時に「はじめの一歩」分科会の推奨作にしていただき、後藤さんにも読んでいただけた作品です。
その後、ずっと寝かしていたのですが、「あかん! このままでは発酵・熟成を通り越して腐ってまうやん。」と、書き直して、関西での合評会に引きずり出し、あんずゆきさんや安田夏菜さんを始めとする関西在住の作家の皆様にもアドバイスをいただき…ラインマーカー片手に大改造。大幅リメイクして仕上げました。
新作とは言えないかもしれないので、なんだか粘り勝ちした感じで、嬉しさもお得感もひとしおです。
正式発表早々におめでとうメールをいただいたり、ブログで一緒に喜んでいただいたり、季節風の皆様には、私をとても暖かく甘やかしていただきました。書くことへとたぶらかしてくださった後藤さんに改めて感謝しています。
優秀賞の森くま堂さんと『季節風でワンツーフィニッシュ!』であったこともまた、私を励ましてくれます。
後藤さんにうらやましがられた私の周りの宝物たちが大活躍する作品をもっと書けるようにこれからもがんばります。季節風の皆様、これからもどうぞよろしくお願いいたします。