受賞のことば

工藤 純子

「福井市こどもの本大賞」は、年に一回、「こども司書クラブ」の子どもたちが選ぶそうです。子どものために書いているわけですから、子どもに選んでもらえるなんて、「やったー!」という喜びしかありません。
 大人が選ぶと、どうしても「文章が」「構成が」「人物が」と、小難しいことを考えてしまいがちです。では、子どもはどうやって選ぶのか? おそらく、もっと直感的な「好き!」「おもしろい!」じゃないかなと思います。実際、司書さんにいただいた子どもたちからの感想も、「おもしろかった」「すごい」というストレートな言葉が、ぽんぽんと勢いよく胸に飛び込んできました。
『サイコーの通知表』は、通知表をもらう側の子どもたちが、「先生の通知表をつけよう!」と立ち上がるお話です。その中で、今まで当たり前に受け止めていた学校の中のおかしなことを発見していきます。子どもは一方的に「よくできる」「できる」「もうすこし」というような簡単な言葉で評価される存在ではありません。百年以上前から続く「通知表」ですが、一体いつまで、同じ形式で続くのか。「人と比べなくてもいいんだと思った」という感想に、ぐっときました。ほんと、その通り!
 子どものために書いている本だからこそ、子どもたちに選んでもらえたことを誇りに思います。ありがとうございました!

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