『季節風』同人として投稿作品などを手がけるうちに、当初は30枚前後という枚数制限に戸惑い、苦しみました。
でもその制限によって、言葉を吟味し過不足なく収めることが、いかに文章修行になるかを次第に実感し始め、改めて今は短編小説の魅力というものに魅せられています。
また今回入選させていただいた『タイムストーリー』企画にしても、「1時間」や「3日」など好きな時間を選んで書くテーマがあったことで、イメージを広げられたことも間違いありません。
そういう意味で目下強く感じていることは、制約や制限というものは、より作品を自由にしてくれるのかもしれない、ということです。
ちょうど俳句に季語や韻の決まり事があるからこそ、広大な宇宙まで描けるようなものでしょうか。
児童文学の世界で自分の作品が受け入れていただける自信は、まったくありませんでした。でも今回のことで、今後の方向にそっと背中を押してもらえたような、そんな有り難味を感じ、本当に励みになります。
物語を書いて行く醍醐味と覚悟のようなものも、沸々と湧き起こっています。
多分これから、書けない苦悩や挫折、葛藤といったネガティブな状況も必ず襲って来るでしょう。小説を書くという孤独な作業の中で、『季節風』同人の方々からの刺激や励ましをいただきながら、少しでもよりましな作品を、この世に生み出して行けるよう精進したいと思います。