受賞のことば

小金 重裕

 素直にうれしいです。児童文学作家になりたいと児童文学学校二十五期に応募しました。卒業生で作った同人誌に入りました。みんな夢に向かって燃えていました。
 高橋秀雄さんはじめ後藤竜二さん、長崎夏海さん、最上一平さん、津久井惠さんという豪華な講師陣に学んだわりに努力不足でいまだ作家デビューできていません。
 あれから三十年、東京に月一度通い続けています。同人誌はいったん解散後、再び結成して、今も千葉県本八幡の「サイゼリヤ」で合評を続けています。
 今回佳作をいただいた作品は去年の十二月から五十日間、右膝の手術入院期間に書いたものです。三人称で書くことが多いので一人称で書いてみようと試みました。舞台は近くの長居公園で、黒猫に出会ったときは目の前を横切らないようにと今もどきどきしています。
 宇都宮には日光杉並木マラソンに参加し、それを作品化して佳作をいただいたことがあります。それ以来の受賞なのでつくづくご縁を感じます。
 季節風に作品を載せていただくことが私にとって大きな励みです。あきらめませんよ。阪神タイガースが三十八年ぶりに日本一になったので、そろそろ私も作家デビューできるぞと、なんの根拠もありませんが、確信しています。

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